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節税に関して、いくつか記載しております。
皆様方の参考になれば幸いです。
「目次」
1.節税の概要
2.固定資産を経費で落とすには
3.決算賞与
4.前払家賃
5.売上計上時期
6.貸倒損失
7.欠損金の繰越しと繰戻し
8.修繕費用について、資産計上と経費について
節税の手法は、大きくは以下の4つに分けられます。
(1)お金の支払いが無いもので、税金を減らすもの
(2)お金の支払いがあるもので、税金を減らすもの
(3)お金の支払いが無いもので、税金の支払を遅らせるもの
(4)お金の支払いがあるもので、税金の支払を遅らせるもの
節税の多くは、(3)や(4)について述べておりますが、
税金対策として、最も効果があるものは、当然ながら(1)や(2)です。
但し、(3)や(4)もある程度効果はあります。
例えば、資金的に潤沢でない企業の場合、税金の支払を遅らせるとその分、運転資金が助かります。
また、税金の支払を遅らせることは、ある意味、無利子でお金を借りていることと同じような効果も得られます。
それに毎期利益が発生する保証は無いので、前期は黒字だったけれど、当期は赤字になるという場合も有り得ます。
そうした可能性もありますので、黒字の時には、税金の支払を遅らせるような対策は効果があります。
以下、日常の節税に関して、いくつか記載していますので、参考になればと思います。
但し、実際の適用に当たっては、お客様によって個別事情や前提条件等が異なりますので、
顧問税理士にお尋ねの上、検討されることをお勧めします。
パソコンや車両、機械装置等のいわゆる固定資産を購入した場合には、固定資産として資産に計上されるのが原則です。
固定資産は減価償却という手続を経て、その利用期間に応じて、年々費用としていくこととなります。
例えば、耐用年数が4年の20万円のパソコンでは、単純には、1年当たり5万円程度が費用になるというイメージです(厳密には異なりますが単純化した場合です。)。
しかし、少額の固定資産については、一度に経費で落とすことができたり、あるいは、短い耐用年数で減価償却を行なったりすることもできます。
以下、1台や1個当りの購入金額による区分となります。
取得金額 10万円未満 10万円以上20万円未満 30万円未満
費用計上額 全額経費可 3年間で均等額 ※全額経費可
又は※全額経費可
(どちらか選択可)
※ 10万円以上30万円未満の全額費用に計上できる特例では、年間の経費算入の上限額が300万円となっています。
また、資本金1億円超の会社等一定の会社は適用が受けられません。
つまり、購入金額の合計で年間300万円を超えると、その超える固定資産からはこの特例が受けられず、固定資産として会計上資産に計上して、年々減価償却で費用とすることとなります。
なお、上記の購入金額の判定は、消費税の経理処理によっても影響します。
消費税の経理処理を税抜経理で行なっている場合には、税抜金額で金額を判定することができますが、消費税の経理処理を税込経理で行なっている場合には、税込金額で金額を判定することとなります。
したがいまして、消費税の経理処理を税抜経理で行なう方が、この固定資産を経費で落とすことで考えると多少有利です。
決算のだいたいの数字が見え、相当な利益が見込まれる場合、従業員のモチベーションを上げるために、決算賞与を払うことが考えられます。
決算賞与を支払った時にどの程度、税金が安くなるかというのは、法人の儲けに対する税率がだいたい25%~40%ですので、従業員(純粋な役員を除きます。)に支払った賞与に対してだいたい25%~40%安くなると考えていただければと思います。
(例)
決算賞与支給前の所得(税務上の利益)3,000万円、決算賞与500万円支給
●決算賞与支給前
概算税金 3,000万円×40%=1,200万円
●決算賞与支給後
概算税金 (3,000万円−500万円)×40%=1,000万円
比較すると、だいたい200万円程、税金が安くなる計算です。
注意すべき点としては、これは従業員に対する賞与であり、純粋な役員に対する賞与は原則として、経費にならない(税金は安くならない)ので、ご注意下さい。
なお、使用人兼務役員に対する一定の賞与は経費にできる場合もあります。
「決算賞与の支給と未払いについて」
決算賞与については、事業年度末までに、実際に各従業員に支給されることをお勧めします。
未払計上でも、一定の要件を満たせば可能ですが、前提要件がいくつかあり、手続上も煩雑で、また、税務調査の際にもチェックされますので、未払決算賞与の計上は一般の中小企業ではあまりお勧めはできません。
参考までに、決算賞与を事業年度末までに、実際に支給しないで、未払計上した場合に、経費にできる要件は、以下のようになってます。
①その賞与支給額を各人別に、かつ、同時期に支給を受ける、全ての使用人に対して今期中に通知していること。
②通知した金額を、通知した全ての使用人に対し、その事業年度終了の日の翌日から1月以内に実際に支払っていること。
③その他、会計処理上の話
この未払計上の場合、煩雑なのは、
●全従業員へ通知、また、
●1ヶ月以内に実際に通知した人に実際に支払う
ということです。
期末までに、通知するための書類をわざわざ作って、従業員に渡さないといけないことから、賞与の決定は、期末までに行なわなくてはいけないので、結局、期末までに実際に支給することとあまり変わらないうえ、作成する書類が多く、手間がかかります。
また、通知された人が支給までの1ヶ月の間に辞めてしまった場合に、その辞めた人に賞与を払わなかったときは(といいますか通常は払わないと思いますが)、未払計上した期末賞与全額(他の従業員の分も含む)が経費にならないという恐ろしい状況になります。
(翌期に経費になりますが、加算税、延滞税が発生します。)
下記の3つの要件を満たしていれば、前払費用をその支出時の費用として処理することができます。
(1)継続してサービスを受ける契約で、まだ事業年度末でサービスの提供を受けていないもの
(2)支払った前払費用が、支払った日から1年以内に提供を受けるサービスに係るものであること
(3)継続して支払った日の属する事業年度の損金の額に算入する処理を行っていること
これは、事務処理の簡便性を考慮して設けられている規定ですが、家賃の前払いなどにうまく適用すれば、経費を先行させることができます。
商品や製品を売上に計上する時期について税務上、規定があります。
この売上を計上する時期をいくつか例をあげると、以下のようにあります。
●出荷日(「出荷基準」といいます。)
●相手方が検収した日(「検収基準」といいます。)
●相手方が使用収益できることとなった日(「使用収益開始基準」といいます。)
これは、店頭で客に直接商品を渡す場合には、商品の引渡しの時期は明らかですが、遠いお客様に商品を送る場合や相手方がチェックして合格した商品のみが納められる場合等と色々な取引形態が考えられるからです。
上記のうち、どれが適用されるかというと、販売形態などから合理的と認められるものとされています。
売上の計上時期を上記について、順に記載すると、出荷基準が最も早く、次に検収基準で、その次が使用収益開始基準となります。
つまり、売上の計上時期が遅くなればなるほど、利益の計上も遅くなりますので、税金の支払も遅くなる。
ということとなります。
但し、従来から採用していた基準を変更する場合には、その変更をすることの合理的な理由が必要なのでご注意下さい。
売掛金や未収入金の入金が遅れている場合や回収がストップしている場合でも、その対応する収益は、入金が無くても、その商品を引き渡した時やサービス提供が行なわれた時に計上されます。
つまり、入金はなくても、税金の対象となります。
入金されない売掛金や未収入金を落として、経費とすることを「貸倒損失」といいますが、税務上、貸倒損失は、その認められる要件が厳格です。
これは、入金が多少遅れているということで、貸倒損失を無制限に認めてしまうと、税務署として税金があまり取れなくなるということもあり、国としてはあまり認めたくないということにも起因していると思われます。
但し、貸倒が明らかとなった場合でも、「貸倒損失」が認められないとなると、入金の無い売上に税金がかかるのみのため、会社経営が危ぶまれます。
貸倒損失を計上できれば、貸倒れ債権の損失を、税金の減少で多少カバーできます。
税務上、貸倒が認められるのは、以下の3つのケースです。
(1)法律上の貸倒
・・・債権が法的手続き(例:民事再生法等)により切り捨てられた場合
(2)事実上の貸倒
・・・債権の全額が、債務者の状況等から無価値となり、回収できない場合
(3)形式上の貸倒
・・・売掛金等について、債務者との継続的取引停止後1年以上経過した場合等
なお、上記は説明のため簡略化しており、貸倒損失が認められる要件は厳格なため、その適用に当たっては、事前に十分な検討をして下さい。
貸倒を主張するうえで、債権放棄を書面で行なった方が良い場合もあります。
また、貸倒損失が認められるレベルに達していなくても、貸倒引当金で、ある程度カバーできる場合もあります。
事業活動を行なって、赤字(欠損)となった場合には、その赤字は青色申告の会社であれば、翌年以後10年間繰越せます(平成30年3月31日以前開始事業年度に発生分の欠損金は9年)。
したがって、ある事業年度で赤字となっても、次に黒字が発生した事業年度で儲けと相殺して税金を軽減することです。
(大法人又は大法人に支配されている会社に関しては、事業年度によって所得の金額の控除制限あり、但し、設立7年以内の新設法人等は例外あり)
通常、赤字は繰越すのが原則ですが、資本金1億円以下の通常の青色申告の中小企業等については、欠損金を繰り戻すことも認められています。
繰戻すとは、前の期の黒字にその期の赤字を充当することを指し、すでに払った税金の一部の還付を請求することとなります。
したがって、現在、役員報酬の期中変更は原則認められませんが、予想以上に利益が出た場合でも、後日に対策を打てます。
大
きく黒字になれば法人税を一旦払います。
しかし、翌事業年度において、役員報酬の増額や様々な投資等により、赤字となった場合に、欠損金の繰戻しを受けられる要件に該当するときは、赤字を前の黒字に繰戻して一旦払った税金のうちの一部の還付を受けることも可能です。
(但し、繰戻し還付は国税のみの制度であり、地方税の法人事業税や法人住民税には繰戻し還付はありません。)
注意する点としては、欠損金の繰戻しは、繰越しと異なり、手続き上、税金の還付を受けることとなることから、税務調査が行なわれる可能性が高くなる。
ということです。
中小企業者等は欠損金は繰越す方法、繰戻す方法のどちらかを選択できます。
建物や機械などに修理を行なった場合、全てが経費となるわけではありません。
その修理が
●その資産の使用可能期間を延長させるもの
●その資産の価値を増加させるもの
●その資産の部分品を性能の高いもの等に取換を行なった場合の、通常の取換費用を超えるもの
これらの修理は、経費ではなく、資産計上されて、減価償却で年々費用となります。
ただし、資産計上か、経費に落とすのが可能か、の判断は実務上容易ではないものが多く、個々の修理を個別的に判断することとなります。
税金面で考えれば、当然、費用に落とせる金額が多いほうが得です!
経費に落とせるかどうかを検討するための一定の基準というものもあります。
(1)20万円未満の修理
20万円未満の修理は、その内容を問わず、全額経費に算入することが可能です。
したがって、小まめに修理することが1つの方法です。
(2)その修理の周期がおおむね3年以内か
機械の部品などで、修理が3年以内に行なわれているような実績などがあれば、全額経費にすることが可能です。
(3)価値を高めるものか不明瞭なもの
ある一つの修理が60万円未満のものや前期末の取得価額の10%以下のものは経費算入可能です。
上記のほかにも基準はありますが、分かりやすい例としていつかあげました。
修繕費で皆様が容易にコントロールできるのは、金額の基準としての「20万円未満」です。
したがって、修理は小まめにされることをお勧めします。
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(税務相談は来所相談に限ります)